一ノ瀬さん家の家庭事情。
胸が、痛い!

キュンキュンしすぎて、痛いよ!

「ありがとう…」

こういうことされるから、好きになるんだよ。

「浅丘君、野菜切れたよ!」

樹里ちゃんがこっちにやってくる。

「でね、後火をつけるの、やってくれる?」

可愛らしく上目遣いで浅丘君のことを見つめる樹里ちゃん。

本当に様になってて、女のあたしでも思わず惚れちゃいそうになっちゃうくらい、かわいい。

「でも…」

あたしを見て行こうか迷ってる浅丘君。

「こっちはもう大丈夫だから、行って!ご飯はあたしに任せて!」

それにね、また頑張るって思えたから、もう大丈夫だよ。

「ありがと、上手いの、期待してる。」

そうやって前みたいに笑ってくれるだけで、十分だって思えちゃう。

よし、美味しいご飯、炊くぞ!

水の分量はあってるよね?

で、ここにセットして…

「あれ?愛ちゃんもご飯係?」

後ろから可愛い声がして、振り向くとそこには飯ごうセットを持ったはるひちゃん。
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