一ノ瀬さん家の家庭事情。
でも今は少しだけ感謝。

だってバスケ部のおかげでクラスでの友達も増えたし、ほのちゃんとも仲良くなれたんだもん。

「変なやつ?愛に絡む物好きなんていねえよ、あ、でもイジられてはいるけどな!お前、どこ行ってもいじられキャラ定着してんな!」

だれのせいだとおもってんの!

「い、イジられ??」

りっちゃん、わけわからなかったみたい。

それよりもうこんな時間!

家をそろそろ出なきゃ、朝練に遅刻しちゃう!

「あたし、そろそろ行くね!えっと、今日の洗い物当番は…」

冷蔵庫に貼ってある当番表を見る。

「玲!よろしくね!新しい洗剤は棚の中に入ってるから!」

「はーい…」

玲は眠そうにパンをかじってる。

「真兄も行かないの?」

「行くよ、ほら、とろとろしてんな!」

真兄はバタバタと玄関に走っていく。

あたしはそれを追いかける。

本当に急がないと、遅刻する時間だ!
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