一ノ瀬さん家の家庭事情。
「未来先輩だっけ?かわいいよね、小さくて、フワフワしてて…あたしとは正反対。」
いつも自信で満ち溢れてて、キラキラおしゃれで女子のカリスマ的存在のほのちゃん。
そんなほのちゃんも真兄のことになると気弱になっちゃうんだから、恋の力ってすごい。
「大丈夫だよ!真兄はほのちゃんとクリスマスを過ごすんだよ。」
今まで彼女ができたって面倒だからってせがまれてもろくにデートもしてこなかった真兄。
きっとふたりはうまくいくよ。
たしかにみいちゃんはかわいいけど、ほのちゃんだって負けてない。
「ありがと、愛。あたし、頑張るね!」
「うん!頑張って!」
「そういう愛も!聡太と二人で!」
ほのちゃんがあたしの肩を指でつつく。
そうなのだ。
今日はいよいよクリスマスイブ。
浅丘君とクラスのパーティーの途中、二人で駅前のクリスマスツリーを見に行く約束をしている。
「あたしこそ、どうしよう…」