一ノ瀬さん家の家庭事情。
「なーにいってんの!あんたたちまわりからどう見たって両思いだって!自信持ちなよ!」

ほのちゃんにそう言われると、少しだけ期待してもいいのかなって気持ちになるから不思議。

そしていよいよ、終業式も大掃除も終わり、あとは帰るのみ。

「クラスパーティーは駅前のカラオケな!会費は千円!」

「は?おまえ彼女いたのかよ!」

クラス内ではいろんな話題が飛び交うけど、あたしの耳には届かない。

「愛ちゃん!クラスのに参加するんでしょ?一緒に行こ?」

今日も可愛らしいシュシュでバッチリ決めた樹里ちゃん。

「うん。」

浅丘君とは途中で抜け出す予定だから、今から二人になることはないよね。

それに浅丘君はもうすでにみんなに囲まれちゃってる。

さすがは人気者。

「優大もクラスのに参加するんだろ?」

「いや、俺は…」

「いいから来いって!」

クラス委員の柏原くんに強引に誘われて、どうやら久住君もクラスのパーティーに参加するみたい。
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