一ノ瀬さん家の家庭事情。
始業式の三日前、今年最初のバスケ部の部活動。

あたしは玄関で止まっていた。

だって、浅丘君と顔をあわせなきゃならないから。

どんな反応をされるのかな。

無視されるかな…

「じゃーま!遅刻するぞ!マネの分際でそんなこと、許されると思ってんのか!」

ドンッと背中を押される。

「はいはい、行きますよーだ!」

真兄のバカ!

ドキドキしながら体育館に入る。

もう、来てるのかな…

そわそわして落ち着かないや。

「愛ちゃん!あけましておめでと!」

後ろから聞こえてきた明るい声。

「葉ちゃん!あけましておめでとう!」

今年も変わらず元気な葉ちゃんの姿になんだか安心する。

「レイちゃんから聞いたよー、インフルエンザだったんだって?もう治ったの?」

「うん、おかげさまで。もう元気だよ!」

「そっか、良かった!なんか流行ってるらしいね。聡太も年明けからインフルエンザで今日休みだってさ。」
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