一ノ瀬さん家の家庭事情。
こういうときのりっちゃんは本当にお父さんみたい。

お父さんはもう次の仕事のために昨日空港から飛び立っていった。

次会えるのはきっと夏休みくらいかな。

いよいよ始まる、3学期。

一年生の一年間なんて、本当にあっという間だった。

この前入学したばかりに感じるのに、もうすぐ高校二年生になるんだ。

二年生になる時はクラス替えがある。

全部で5クラスあるうちで同じクラスになれるかはわからない。

もしクラスが離れちゃって、このまま何も言えないまま終わるのは嫌だ。

絶対にクラスが離れる前に伝えよう。

これがあたしの精一杯だから。

まだまだ甘いかもしれない。

もう遅いかもしれない。

それでも、伝えよう。

自分が後悔しないために。

ちゃんと前に進めるように。
< 290 / 391 >

この作品をシェア

pagetop