一ノ瀬さん家の家庭事情。
「どうぞ。」

そしてなぜか先生はうちの中へ、

りっちゃんがコーヒーを置くと、先生はお礼を言った。

なんだか変な感じ。

こうやってたまたま先生としてきた人がまさか自分の伯父だったなんて。

「父から聞いたことはあります。…暁君には弟さんがいらっしゃったって。」

「僕もたまに聞いていたよ、長男の君はもう大学生なんだってね。」

そうはいってもりっちゃんと先生、年が10も離れていないんだよね。

「はい、おかげさまで。で、こっちが次男の真と双子の三男の優、それから四男の玲です。」

「みんな大きくなったね。前にあったときはまだすごく小さかったのに。」

だって前に先生が皆にあったのってもう十年以上も前のことだもん。

「そろそろ帰るよ、…仏間に手を合わせたいんだけど、いい?」

先生にそう言われ、あたしは仏間に案内。

今日の朝も入ったこの部屋は何も変わってない。

ただ、朝来た時はまさかこんなお客さんが来るなんて思いもしなかった。
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