一ノ瀬さん家の家庭事情。
りっちゃんを見てたら大学も楽しそうだなって思うけど、やりたいこととかもまだない。

「まだはっきりとは…」

「そっか、…あ、ここだよ。」

車が止まったのは和風の一軒家の前。

庭も綺麗に手入れされていて、キチンとしてる。

車から降りて先生の後に続く。

なんだか緊張してきた!

どんな顔すればいいの!?

「ただいまー、父さん。」

引き戸をガラガラと開け、先生が家の中に入っていく。

「愛ちゃん、上がって?」

「お、おじゃましまーす…」

通された家の中も綺麗に片付いていて。

ものが散乱しまくってるうちとは大違い。

「あれ、いないのかな。ごめん、ちょっと待ってて。見てくる。」

えっ!そんな!

一人にされたら余計に緊張しちゃう!

挙動不審になったあたしはあたりをみっともなくキョロキョロ。

そこで目に入ったのは、飾られた写真立て。

これって…

「その写真、見たことあるかな?」

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