一ノ瀬さん家の家庭事情。
それに玲もいるから、大変さは二倍だ。

りっちゃん自信、あたしたちが高校三年生になる頃にはきっと就職活動や卒論なんかで色々忙しいと思う。

ずっと負担をかけてたの…?

「よく考えて。」

先生はそういうとその後は普通に学校の話なんかをした。

まるで何もなかったかのように。

家に着くと玄関先までわざわざ車から降りて送ってくれた。

そして最後にいった。

「さっきの話、お兄さんたちのことだけじゃないんだ。俺自身、きっとまた家族と暮らしたいんだと思う。ごめん、勝手なやつで。」

そういった先生の顔は笑っていたのになんだか泣きそうで。

胸がしめつけられるような笑顔だった。


「ただいま。」

「おかえりーっ!今日は愛の好きなシチューだぞ!」

玄関先まで飛び出してくるりっちゃん。

窮屈に感じていない?

もっとやりたいことがあるのに、それを我慢していない?

ねえ、りっちゃん。


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