一ノ瀬さん家の家庭事情。
「うん、いいね。葉たちも呼ぶよな?」

「オッケ!じゃあ葉とか他の部員にはあたしから声をかけておくからね!」

そしてまたまたほのちゃんが耳打ち。

「もちろん、これも作戦だから。頑張ってね、愛!」

ほのちゃんがそう言ったと同時に鳴ったチャイムの音。

授業が始まってもなんだかドキドキがとまらない!

隣の席に座る浅丘君をちらりと盗み見る。

あたし、本当にこの人に告白を…

好きです、って言うんだ。

好きです、好きだよ、好きなんだ!

えっと、なんて言えばいいの!?

告白をするの、初めてだから全くわかんない!

心の中ではこんなに簡単に言える言葉。

それを口に出して本人に伝える、ただそれだけの単純なことなのに、こんなに勇気が必要で、怖くて、ドキドキする。

それでも、やってみせるんだ!

…愛、これでもう逃げられないぞ!

あと一週間、運命の日まであたしの心臓、持つのか!?
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