一ノ瀬さん家の家庭事情。
一番多いのはもちろんりっちゃん。

ん?

玲からもある。

珍しいな…

『律兄には買い物行ってるって言っといたから。だからアイス買ってきて。』

これは、玲なりに助けてくれたんだよね…

仕方ない、帰りにコンビニに寄ろう。

「一ノ瀬?」

「あっ、うん!」

浅丘君の歩く後ろについていく。

「そうだ、これ。」

分かれ道のところまで来ると、浅丘君がスポーツバックからなにか小さな包を取り出した。

「俺、女子の喜ぶものとかわかんなかったからそれでいいのか知らないけど…一ノ瀬、誕生日おめでとう。」

ウルウル…!

「って、また泣いてる?」

「だって!こんなの、嬉しすぎるよ…!」

誕生日を覚えててくれたことも、両思いになれたこともすごくすごく嬉しいことで、こんなに幸せな誕生日はないのに。

「恥ずかしいから帰って開けて。じゃあ、また明日…!」

「待って!」

色々舞い上がってて忘れていた肝心なこと。
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