一ノ瀬さん家の家庭事情。
優兄だって勉強するのに、あたしたちの世話ばっかりしてられないよね。

それに、生徒会の仕事とかも忙しそうだもん。

優兄は生徒会の副会長をやっているんだ。

「愛はそんなの気にしなくていいの。俺だって愛と玲に良い点とってほしいし、教えれるとこは教えるよ。」

やっぱり優兄は天使!

あたしの救世主!メシア!

「おい、お兄様が特別に数学だけ二人の可愛い弟と妹に教えてやってもいいぜ?」

「じゃあ、早速ご飯のあとで聞きたいところが…」

「うん、部屋に来な?」

「オイッ!無視すんな!愛のくせに、生意気だ!」

そう言うと悪魔はあたしの髪の毛をぐしゃぐしゃにした。

「何すんの!別に優兄に教えてもらうからいい!」

どうせ真兄に教えてもらったって馬鹿だのアホだのさんざん言われて終わりだもん。

「愛、お前わかってねえなー!優はおまえに気を使って言ってんの!少しは察しろ!」

そ、そうなの!?
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