一ノ瀬さん家の家庭事情。
「おにーちゃん!」

バタバタと足音がして、玄関の扉が勢い良く開いた。

か、かわいい…!

浅丘君の足元に抱きついたのは小学低学年くらいの女の子。

2つに結んだ髪と大きなキラキラした目がものすごく可愛い。

「いきなり開けたら危ないだろ。」

「はーい!」

そしてその子の視線はつつつとあたしの方へ。

「おねえちゃん、おにいちゃんのお友達?」

お友達…えっと、なんて言えばいいのかな?

「恵海、ちゃんと挨拶しろ。」

「あさおかえみです!」

恵海ちゃんっていうのか、かわいいなぁ。

「ごめんな、一ノ瀬。びっくりしたよな。俺の妹の恵海。」

恵海ちゃんはキラキラした大きな瞳であたしを見つめる。

「恵海ね、もうすぐ一年生になるの!」

ということは、浅丘君とは結構年が離れてるんだな…

にしても、妹っていいな!

昔から自分より下の兄弟がいたらなって何回も想像してたっけ。
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