一ノ瀬さん家の家庭事情。
へえ、だから久住君、不機嫌そうな顔なのかな?

次のページをめくると、なにかぱらっと床に落ちた。

なんだろう?

拾ってみると、それは一枚の写真。

「あっ…!」

めくろうとした手を遮って、あたしの手に大きな手が重なった。

「えっと…ごめんなさい、勝手に…」

そうだよね、見られたくないものだってあるよね。

なのにあたし、勝手に…

「いや、違うんだ…その、…」

気まずそうに言う浅丘君。

そんな顔されたら、ますますどんな写真なのか気になっちゃうよ。

「ごめんね、あっ、次のページ、見てもいい?」

誰にだって見せたくないものはある。

彼氏彼女の関係になったってプライバシーは大切にしなきゃ。

「…ううん、やっぱり見て。」

え…でも…

「いいの?」

「うん。」

なんの写真なんだろう。

もしかして、元カノとか!?

でもほのちゃんが浅丘君は今まで彼女とかいたことなかったって言っていたし。
< 368 / 391 >

この作品をシェア

pagetop