一ノ瀬さん家の家庭事情。
明日も、明後日も、明々後日も、あるんだ。

また彼女として会えるんだ。

「じゃあ、またな。」

「うん!」

あたしはニコニコ笑顔で手を振った。

まさか後ろに、恐ろしい悪魔、いやもはや悪魔なんて可愛いレベルじゃない、鬼の形相をした…

「あーい?…誰だ、今の?」

後ろからさっきを感じて、降っていた手を下ろすのも忘れ、恐る恐る後ろを向く。

…ま、まさか…

「誰だ!!!!今の男!!!」

り、りっちゃん!!!!!

まずい!

この状況は、かなりかなりかなり✖1000まずい!

何か言い訳しなきゃ!

えっとえっと…!!!

ダメだ、頭がテンパッて何も出てこない!

「愛!誰なんだ!あいつは!」

目の前には普段の顔からは想像もできないりっちゃん。

もう、いいや!

どうせ隠してたって、いずれバレることだもん。

それに、浅丘君はあたしをちゃんと家族に紹介してくれた。

あたしだって、みんなにちゃんと紹介したい。
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