一ノ瀬さん家の家庭事情。
「優兄!!」

やっと来てくれた!

あたしの天使!エンジェル!

「優、ごくろうさん。こいつ相当物分かり悪いから苦労するぜ。」

「ほんと、俺はもう終わりにしよーっと。」

そう言うと、玲は二段ベッドの下、ちなみにあたしのスペースに寝そべって漫画を読み始めた。

あー!もう!

リビングで読めばいいのに!

あ、そうだ!

「ねえ、優兄、リビングで勉強しない?ここじゃ玲もうるさいと思うし!」

「うん、いいよ。行こっか。」

リッちゃんは今日も大学でサークルの集まりがあるって言ってたから、まだ帰ってこないはず!

「どこがわからない?」

「うーんと、ここの訳し方…」

「これは、ここが指示語になってるよね、だから…」


二時間後、あたしはとても充実していた気分になった。

「優兄、ありがとう!よくわかった!」

「よかった、わからないところがあればいつでも聞きにおいで。」

やっぱり優兄は違うね。
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