一ノ瀬さん家の家庭事情。
すると浅丘君は顔を無効に向けて、手で口元を押さえた。

「別に、俺は何もしてないよ。一ノ瀬が自分で全部やったことなんだよ。」

そう、かな?

いやいや、でも絶対に浅丘君がはじめに話しかけてくれたんだもん!

そうじゃなかったら今みたいにバスケ部にだって居場所はなかったかもしれないし、こうして親睦会になんて呼んでもらえることもない。

「あっ、ごめん!俺、勝手に…」

人が少なくなって、浅丘君はあたしの手を慌てたように離した。

「えっと、そこのファミレス!もうみんな待ってるから、行こう。」

あたしは浅丘君についていく。

お店に入ると、バスケ部の一年生のみんなが席に座っていた。

「あっ!きたきた!愛!こっち!」

ほのちゃんが手を振っている。

あたしはほのちゃんの隣りに座った。

「よーし、じゃあ全員揃ったところで、始めますか!」

全員、と言っても今年の一年生はマネージャーのあたしたち二人を入れて全員で七人。
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