一ノ瀬さん家の家庭事情。
「やめろよ、葉。」

浅丘君は呆れたようにため息をつく。

でも実際モテてると思うよ。

だって浅丘君は爽やかで、かっこよくて、面倒見も良くて、優しくて、バスケも上手だし、努力家だし…

まさに少女漫画に出てくる、学年一モテモテの爽やか少年って感じ。

「葉だってモテてんじゃん!男に!」

「嬉しくないっての!」

葉ちゃんは女の子顔負けに可愛らしい顔立ちをしている。

だから特に男の先輩に可愛がられるみたい。

「ほのちゃんは?彼氏いるの?」

「あたし、好きな人いるから。」

ほのちゃんはジュースを飲みながらサラリときっぱり言った。

「え!まじ!だれだれ?」

「教えるけど、協力してよね?」

ほのちゃん、教えちゃうの!?

すごいなぁ、あたし、こんな大勢の人の前で好きな人の話なんてできないと思う。

「真先輩。」

そうほのちゃんが言うと、周りからは納得したようにあー、と声が上がった。
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