一ノ瀬さん家の家庭事情。

それからみんなでご飯を食べて、おしゃべりして、気がつけば時間は八時半。

やばい！

そろそろ帰らないと、りっちゃんの頭にツノが生える！

「あたし、そろそろ帰るね！」

「もう九時だもんね。いくら明日が日曜だからってあんまり遅くなったらダメだし、そろそろお開きにしようか。」

ほのちゃんの提案にみんなが頷く。

ファミレスの外にでて、みんなはバラバラの方向に帰っていく。

「聡太！愛ちゃんを送ってやれよ！お前チャリだろ！」

葉ちゃんはニコッと笑ってそう言うと、ほのちゃんと駅の方に向かっていっちゃった。

「一ノ瀬の家、どのへんなの？」

「ここから歩いて二十分くらいだから、一人で平気だよ。」

「いや、いいよ。送るよ。」

でももう遅いし、なんだか悪い。

それにもし、家の前で浅丘君と帰ってきたところをりっちゃんや真兄にでも見られたら、あたしきっともう二度と外出を許可してもらえなくなりそう…