一ノ瀬さん家の家庭事情。
「ううん!ほんと大丈夫だから!あたし、こう見えても強いんだよ!」

そう言ってガッツポーズを作ってみる。

すると浅丘君は何かモゴモゴ言った。

「だから…さ、」

「ん?」

どうしたのかな?

「俺が、送りたいっていうか…一ノ瀬を一人で帰したくないっていうか…」

え!!

なにそれ!

なんだかすごく、ドキドキするのはなんで!?

「あ、浅丘君…」

「愛!」

浅丘君の方を見てると、急に呼ばれた。

振り返ると、そこにはニコニコしながら手をふる優兄。

「遅くなるなら迎えに行くよって言ったのに、連絡ないからさ。…と、そちらは?」

優兄はあたしの隣にいた浅丘君に目線を移す。

「はじめまして、一ノ瀬さんと同じクラスで同じバスケ部の一年、浅丘聡太です。」

「そうなんだ、はじめまして。愛の兄の、一ノ瀬優です。バスケ部ってことは真の後輩でもあるのかな。」

よかった、迎えに来てくれたのが優兄で。

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