一ノ瀬さん家の家庭事情。
その勢いで玄関の外にふっとばされる。

そして尻餅をついた。

「いったい!もう!りっちゃん!」

「あーーいーー!おかえり!」

そう言ってあたしの頭を撫でるのは、これでも一ノ瀬家の長男、海外赴任中のパパにかわってみんなの親代わりをしている一ノ瀬律。

りっちゃんはこの春から家から通える大学の一年生。

見た目は黒髪の短髪が爽やかな、好青年。

その硬派な見た目は大学でも大人気らしく、剣道部ではモテモテらしい。

だけど家では…

「愛、今日も変な奴に絡まれたりしなかったか?学校で辛いことなかったか?」

かなりの、シスコン。

ていうか、過保護?

あたしはもう15歳だっていうのに未だに幼稚園児みたいに扱う時がある。

「兄貴、そんなやつに構う好き者いないって。」

玄関にふっとばされたあたしを悠々と跨いでいくのは、一ノ瀬家次男の高校二年生、一ノ瀬真。

少し茶色い髪に色素の薄い、かっこいいと美しさが絶妙にミックスされた甘いマスクの下に悪魔の顔を持つ真兄はあたしの一番の敵。
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