一ノ瀬さん家の家庭事情。
これがもしりっちゃんや真兄だったら…

うう、想像するだけで恐ろしい!

浅丘君と別れて、優兄と二人になる。

「びっくりしちゃった。愛に彼氏でもできたのかと思ったよ。」

「か、彼氏!?違うよ!浅丘君はクラスでも人気者なの!あたしなんか、眼中にないよ!」

あたしと浅丘君じゃレベルが釣り合わないもん。

「そうかな。」

優兄は含み笑いをしながら空を見上げる。

「そうだよ!」

浅丘君はみんなの人気者で、爽やかでかっこよくて、モテモテで。

それに比べてあたしは一人じゃ何にもできない。

「優兄、りっちゃんには男の子もいたってこと、内緒にしてくれる?」

絶対にりっちゃん、このこと知ったら発狂しちゃう。

「…わかったよ。でも、気をつけろよ、愛。」

何が、だろう?

よくわからないまま、家につく。

「あーーーいいーー!おかえりぃ!」

またまた勢い良く飛びついてきたりっちゃんに、ごまかしの笑顔を向けるあたしなのでした。
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