一ノ瀬さん家の家庭事情。
いいなぁ…あたしも行ってみたいな!

「そういえば、律兄、最近遅いよね。何かあるの?」

確かに、最近りっちゃんはみんなとご飯を食べることもない。

毎日のように夜遅く帰ってきて、あたしたちより遅く起きて大学に行っているみたい。

大学の授業を一限から取っていないから、そこに問題はないみたいだけど。

「もしかして、彼女でも出来たんじゃね?律兄も一応男だしさ。」

真兄がにやにやしながら冷やかすように言った。

りっちゃんに、彼女!?

りっちゃんは家ではあんなだけど、見た目は爽やかで、かっこいいし、好青年。

真面目だし、頑張り屋でもある。

昔からモテてはいた。

それにりっちゃんも大学生。

彼女がいたってなんのおかしいこともない。

「たっだいまー!」

噂をすれば、珍しくりっちゃんが元気よく帰ってきた。

そしてあたしを見ると、駆け寄ってきて頭をくしゃくしゃにする。

「愛!テストはどうだったか?今日は家でご飯食べれるぞ!」



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