一ノ瀬さん家の家庭事情。

「俺までお邪魔しちゃっていいのかな。」

浅丘君が楽しそうに食材を選ぶ二人を横目で見ながら言った。

「ううん、むしろみんながいてくれたほうがいいの。…玲が何を考えてるのか、わかんなくなっちゃった。」

今までだって決してわかりやすいほうじゃなかった。

だけど双子の勘ってやつかな。

何となく考えてることはわかってたつもりでいたんだ。


「何…」

家に帰って、リビングにみんなを通すと、ソファで寝っ転がり漫画を読んでいた玲は不機嫌そうにこちらを見た。

「よっ！レイちゃん！」

何読んでんのーとフレンドリーに玲に寄っていく葉ちゃん。

「なんでいるの？」

「今日、俺達みんなでお好み焼きパーティーするんだ！」

玲の顔はわけわからない、というふうにぽかんとしてる。

「よし、早速つくろ！」

あたしはそんな玲を無視して、ホットプレートの用意を始めた。

「ちょっと、レイちゃん！私服いいね！クラスの女子に写メ送ってもいい？」