一ノ瀬さん家の家庭事情。
「盗撮は犯罪って知らない?」

さすが、葉ちゃんは玲に蔑まれようが、無視されようがグイグイ話しかけてる。

クラスでもこんな感じなのかな。

「ねえねえ、愛。あの写真、もしかして真先輩?」

お好み焼きのタネを作りながらほのちゃんはダッシュボードの上に飾っている写真立てを指さした。

「うん、多分二人が二歳くらいの時かな。」

ダッシュボードの上には写真立てが沢山飾ってある。

写真家のお父さんは家族写真をあたしたちが小さい頃はたくさん撮ってくれてた。

今も入学式とか、卒業式とか、そういう行事事の時には必ず帰ってきて写真を撮ってくれるんだ。

「えー!もう、超かわいいー!優先輩も!」

ほんと、写真の中の小さい頃の真兄と優兄はまるで天使そのもの。

今の悪魔の片鱗をどこからどう見たって見つけられないの。

「一番上のお兄さん?もかっこいいね!」

ほのちゃん、見た目に騙されちゃダメ。

りっちゃんはただの中身はお父さん。
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