一ノ瀬さん家の家庭事情。
ちょっとくらい合わせてくれたっていいじゃないの!

「玲君はマヨネーズかける?青のりとかつお節は?」

「自分でやるから、いい。」

ほのちゃんがせっかく気を使ってくれたのに、何なの!その態度!

「ちょっと!いい加減にしてよ!いつまで拗ねてるのよ!子供じゃないんだから、いつまでも膨れてないでよ!」

あたしは完全にキレていた。

こんなに玲に向かって怒鳴ったのは初めて。

玲のすべてがわかんない!

何に対して不機嫌なのかも、どうしてあたしにかくしごとしようとするのかも。

「わかったよ、教えてやるから、来いよ!」

玲は今まで見たこともないような冷たくて鋭い目つきであたしを睨むと、乱暴に手を引っ張った。

手が痛いのに、抵抗できないような怖さが出てる。

ほのちゃんたちは呆気にとられて、何が起こったのかわからなかったみたい。

玲に腕を引っ張られて、連れて来られたのはこの前入ることを許されなかったお父さんの部屋。
< 75 / 391 >

この作品をシェア

pagetop