一ノ瀬さん家の家庭事情。

ｈｏｍｅ:７

一瞬言われたことの意味がわからなかった。

あたしと、玲が双子じゃない？

兄妹じゃ、ない？

「で、でも…誕生日…」

あたしも玲も、誕生日は二月十四日。

バレンタインデーの日だ。

「…詳しくは俺もわからない。けど、…これが真実なんだ。」

…そうだったの…

玲はこのことを一人で抱えて、悩んでたの。

あたしに隠そうとしたのは、あたしがこのことを知ったら、悲しむと思ったから？

「愛ちゃん？レイちゃん？だいじょーぶ？」

階段の下から聞こえる葉ちゃんの声にはっと我に返る。

ダメだ、まだ飲み込めない。

玲の言葉が頭の中をグルグル回る。

あたしと玲は双子じゃない。

兄妹じゃ、ない。

「ご、ごめんね、なんか調子悪くなっちゃった…」

なんとかそう作り笑いを浮かべて言う。

ほのちゃんたちはあたしたちの間に何があったのかは聞かずに、頷いた。

「じゃあ、あたしたち帰るね、愛、何かあったら相談しなよ。一人で抱えこまないでね。」