一ノ瀬さん家の家庭事情。
いちごミルク…

あたしが一番好きな飲み物。

どうしてあたしが好きって知ってるの?

「一ノ瀬、これ良く飲んでるからさ!で、これ飲んでる時いっつもすげえ幸せそうだから、元気出す源に!」

…浅丘君…

「ありがとう!すっごく嬉しい!」

みんな、みんな優しいね。

あたしは幸せ者だ。



「あー疲れた!おい、愛。お兄様にお茶だ!」

「ただいま、玲、愛。」

その日の夜、三泊四日の修学旅行から帰ってきた真兄と優兄。

四日前となんのかわりもない二人になんだか少し安心。

「明日父さんが帰ってくるらしいよ。」

玲がそう言うと、真兄はぎょっとした顔をした。

「まじかよ、俺、父さんの部屋から勝手に色々拝借してんだよな。返さねえと。」

明日、あたしと玲の話を聞いたら、みんなはどんな顔をするのかな。

悲しませることになるかもしれない。

りっちゃんや真兄、優兄は知ってたのかな。
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