一ノ瀬さん家の家庭事情。
あんまり自分のあの素の性格をさらけ出すことはないけど、ほのちゃんといるときは本当に楽しそうだし…

「それより!愛はどうなの?聡太と!」

急にほのちゃんの口から出てきた浅丘君の名前。

「ど、どうって…まだわかんないよ。」

たしかに浅丘君といると、楽しいし、たまに胸がキュってなる。

ドキドキもするし…

「夏休みにはバスケ部で合宿があるからね!そこがチャンスだってあたしは思ってるの!だから、愛。愛も頑張ろうよ!」

やっぱりあたし、浅丘君のことが好きなのかな…


「今日は席替えをする!クジ作ってきたから、順番に引いていけー。」

帰りのホームルームでのまさかの突然の席替え宣言。

あたしの頭に真っ先に浮かんだ言葉、それは嫌だ!だった。

だって席替えなんてしちゃったら、今みたいにクラスの中で浅丘君といっぱい話すことがなくなっちゃうかもしれない。

部活では浅丘君、ものすごく真剣で気軽に話しかけられるようなオーラじゃないし、一生懸命な姿を見てたら邪魔したくないって思っちゃう。

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