一ノ瀬さん家の家庭事情。
はっ!しまった!

恐る恐るほのちゃんを見上げると、ニコニコ笑ってる。

引きつり笑顔のあたし。

「そっ、そういえば!ほのちゃんは席どこになったの!?」

必死で話題を変えようとする。

「23番、結構前の方なのよね、ついてないわー…」

ほのちゃんとも離れちゃった…

席を移動させて、椅子に座る。

位置的には一番後ろの席だし、いいのに!

周りの景色が違ってなんだか不思議な感覚。

ガタッ

そ、そうだ!

隣の人、仲良くなれるかな…

優しい女の子だといいな…

「あっ、あの!よろし…」

「…あ?」

く、といおうとして、あたしの笑顔は引きつり気味。

だって隣に座っていたのは、この学校ではそうそう見ないいわゆるヤンキータイプ。

明るめの茶髪に染められた少し襟足の長めの髪、耳に除くのは銀色のピアス。

緩めに締められたネクタイ、そしてだるそうに投げ出された長い足。
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