FLOWER。


  「待たんかいワレィ」


  私はそのまま叫んだ。思ったことをそのまま口に出した


 案の定、彼は屋上のフェンスを乗り越えようとしていた。私は彼の首根っこを掴んで、地面へたたき付けた。


  「何、すんだよ、!」


  「生きろ!!生きろよ!!」


  彼は黙って立ち上がって、砂埃をたたき落としながら


  「もう、嫌なんだよこんな世界全てが。」


 今まで溜めてきたものを吐き出すように。ブレーキが外れるように


  「毎日毎日嫌な事ばっかり。おれだけが取り残されたかのように、皆、皆バカみたいに笑顔でよ!!」


  「辛いよ、苦しいよ、悲しいよ、悔しいよ、どうして、どうして、おればかり…」


  ボールをひたすら壁へと投げつけるように、彼は一方的だったから。

  「誰もが好き勝手に生きてんじゃねぇよ!!!!!!」


  私は叫んだ。



< 12 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop