FLOWER。


  「皆ひとりひとり必死なんだよ 生きて生きて生き抜いて毎日辛くても寂しくても孤独でも、明日ならきっと楽しいって。信じて生きてんだよ」

  「--------------おれは明日なんて、いらねぇ!!!」


  「だったら待ち望んでねぇで自分で今日も明日も作れよ!!」


  私は力強く叫んでしまった。恐らく、グラウンドまで響いたかもしれない。


  「--------------っ」


   「皆が毎日笑顔に見えんのは、今日も明日も何か一つでも楽しい事を見つけようとしてるんだよ」


  「悲劇のヒロインなんていつだって為れんだよ!!」


  「お前に、何が解るんだよ。俺の、何が。」


 「何をしているんだ」

 騒がしいのか先生が屋上へやってきた。ゴリラに似ている容姿から、ゴリマッチョ・プロテインと呼ばれてる。少し涙脆い類人猿で隣のクラスの先生だ。マウンテンゴリラが檻から抜け出したような第一声をあげれば彼は舌打ちして屋上を急いで出ていく。西ローランドゴリラの「待ちなさい」は制止にならず。


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