FLOWER。
昼食タイム。隣の席にいた亜美が私の前の席へ座る。ピンクの小さなお弁当箱を取り出して。
「やーっとお昼だねー、花、あたしお腹ペコペコだよー」
そういって彼女はお弁当を開ける。そこにはチーズ、タマゴ、ハム、レタス、とマヨネーズの小さなパック。よくお弁当についてる小さなマヨネーズのやつ。それと、バターを取り出した。彼女のお弁当はそう、サンドイッチ作りながら食べるのだ
「それ、めんどうじゃないの?」
「めんどうだけど学校から帰ったらすぐに詰めたらいいだけだし?洗うのも簡単だし?それにさ、何より女子力高く見えない?」
見えない。知るか、んなもん。めんどくさがる奴が女子力を求めるな
だけども彼女の言い分は分かる。確かに洗うのも、詰めるだけなのも効率的かもしれない。現に、私は一瞬だけ彼女が羨ましく思ったから。
「それにこうして作りながら食べる事で新鮮な素材を頂いてます、的な?」
あんた当日詰めてるんだろ 素材も新鮮もあるか。と、突っ込んでる内に出来ましたね。ハムサンド。彼女はかれこれ五年以上はこの作業をしている。だからけっこう手際が良かったりする。
「それ亜美が考えたの?」
「そうだよー、あたし一人暮らしだからさー」
「いやいや、あんた中学の時からそうだったでしょ。思い返せば小学校の時の遠足でーんーいつからだっけか」