FLOWER。


  「あたしも忘れた!んなもん!まあでも小学校からやってたね、うん。サンドイッチってオシャレだからね」


  そんな子供の時からオシャレとか考えてたのかよ。確かになんか色々と大人っぽい服装だったな


  「まあ、おしゃべりしながら作って食べるってなんかオシャレじゃない?端からしたら女子力高くない?いつだってピクニック気分ですよ、お姉さん」

  「この脳内ピクニック女が!!」


 いつものツッコミをする。誰が見てたり聞いていたりするわけでもないけれど、これが私達のお決まりの下りである


  「あんた、ご飯食べないの?」


  あ、いっけね。全然、手付けてない。お弁当すら開けてない。


  「お弁当、重箱かよ!!!!良いとこの娘かよ!テラ箱入り娘かよ!」


  「うるさい!そこ突っ込むな!!」


  私のはというと昔の昔の昔からずっとこの重箱だ。上と下に分かれる、なんか見た目が鰻重とか入ってそうな大層な箱。もちろん鰻重は入っていない。私が彼女の弁当をネタにすれば、お決まりのように返ってくる。


  「それ持って花見にでも行ってこいよー!」


  「うるさいうるさいうるさい」


  「それはそうと、食べないの?」


  あっ、いけね。またしてもだった。
< 20 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop