FLOWER。
「待ってよ」
「待てってば、ねぇってば!」
彼は私の言葉を無視して階段を上がっていく私は完全スルーされるも諦めず、彼を追う。
涙の理由が知りたい、だとかそんな軟(やわ)な理由じゃない。何処かの小説やドラマやアニメやら漫画やらのそんな綺麗な綺麗な理由じゃなくて。ただ単にヒトとして彼に謝らなきゃって。
確かにあの涙は私が原因だから。私が彼の本を鼻で笑ってしまったから。
バカにしてはいけないものを私はバカにしてしまったような、そんな感じがして。