あなたに伝えたいこと
×悠樹×
俺は、今しかチャンスがないと思った。
龍斗の話をしたとき。
龍斗のことをどう思っているのか、何となくで聞けるタイミング…
「あのさ…」
いざ口にすると、いい言葉が出てこない。
結局さりげなくなんて出来ずに、普通に聞いてしまうんだ。
「奈美ってさ…龍斗のこと好きなの?」
こうしてまた、相手を困らせてしまう。
俺は衝動的になりすぎなのかも知れない。
もっと時間が経ってからでもできるじゃないか。
「あ、いや、ごめん…何でもない。」
こんな俺に、優しい笑顔で応えてくれる。
しかも、ちゃんと、返事までしてくれた。
これで十分だ。
安心したのか、ドッと疲れがきて眠くなった。
奈美の横で寝るのはドキドキするが、嬉しいことかもしれない。
「うん。わかった。おやすみ…」
暖かい声に包まれ、俺は夢の世界へ入っていった。