あなたに伝えたいこと
×奈美×
後2時間はある。
私は、座席が前だが、後ろはほとんど寝ている。
ちなみに、私の後ろの座席の龍斗も口を開けて窓に寄りかかって寝ている。
龍斗の寝顔はいつ見ても変わらない。
モテたりしているが、寝顔は子供のままだ。
龍斗の顔をみたり、龍斗と話してると、ありのままの自分になれる。
そんな龍斗の隣は、安心するんだ…まるで、母親のように…
(私も寝ようかな…)
昨日は、わくわくし過ぎてあまり寝付けなかった。
なんてお子ちゃまじみているのか…でも、変わらないかもしれない。
私は、軽く目を閉じた。
×龍斗×
「龍斗!見てみて!!」
(あ…奈美か…)
気が付くと、奈美のばあちゃん家の庭にいた。
(奈美…こんな小さかったっけな…)
ピンクのワンピースに麦わら帽子をかぶり、虫かごを持っている。
「見てみて!龍斗!!蝶々だよ!!」
(うん…見てるよ…今も…)
そんな元気のいい奈美が心の支えになっている。
すると、突然奈美が消えた。
(おい…奈美…どこだよ…おい…どこだよ…)
「奈美っ--!!」