あなたに伝えたいこと
『俺のこと…好き?』
…一瞬、何が起きたのかわからなかった。
ドンっ…!!
「っ…!」
私は、龍斗を突き飛ばしていた。
「痛っ…なにすんだよ…」
数歩後退りして、そうきいてきた。
「いや、だって…いきなりそんなことするから…反射みたいな?」
恐怖とかはないけれど、脈拍が先程よりもあがっていることがわかる。
しばらく沈黙が続く。
私は…
「…ごめん。俺熱あるみたいだ。本当にごめんな…」
そう言って私の頭を軽くポンポンと叩いた。
龍斗はそのままうつ向きながら階段を下りていった。
「…なんなんだよ…バカ龍斗。タイミングとか考えっ…」
訳がわからず、涙が出てきた。
×龍斗×
(ったく!!何してんだよ!!)
どこにもぶつけられない自分への怒りが限界に達した。
ペチンっ!!
硬い壁に拳をぶつけたら、想像以上に痛かった。
「ってぇ~…」
声にならない声で呟いた。
霞の間に向かうと、皆が反省を書いていた。
「おせぇよ、龍斗!何してたんだよ!!」
周りの男子の声にイラつきを覚えた。
「うっせぇよ。」
「んだよ…何かあった?」
「何もねぇよ!!」
×悠樹×
(龍斗…奈美がいない。何かあったのか…)
「先生、トイレ行ってきます!!」
そう言って俺は霞の間を抜け出した。