プライド
女の恋は上書き保存というけれど、私は彼への思いはこれっぽっちも残っていないのね。

あなたには少しでも残ってる?
男はちゃんとフォルダにしまうと言うものね。
私はあなたに残り香を残しているのかしら。

私は彼を睨むと、会場を後にした。
私には周りの雑踏は聞こえず、自分のハイヒールの音しか聞こえない。

私の道はまた始まる。
ここがスタート地点。

あなたは私のことを後腐れのないいい女だと思っているかもしれないけど、私はそんなに簡単な女じゃないのよ。

ずっとあなたが罠にかかるのを待ってる女郎蜘蛛よ。
結婚してしばらくたったら、あなたはきっと私の元へやってくるわ。
そう思うとニヤけが止まらない。

私はタクシーを呼ぶと、本来今日あなたと行くはずであったホテル主催のパーティーへと向かった。
目的はもちろん新しいエサを探すため。
人のものになったとたんに欲しくなるというでしょう。

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