All I have to give
白と黒



「…い、おい!起きろユナ」


「ふぇ…」


一ヶ月が経った。

家事も順調にこなし、あっという間に毎日が過ぎていく。

変わった事と言えば、名前を覚えてもらった事…


「待って…今日って…」


寝ぼけなまこで記憶を辿る。
確かに昨日、休みをくれてやるから何もしなくていいって…



「もう13時だアホ。5分で下に降りてこい」


「は?5分?!」


私の休みは?

そんな疑問が浮かび上がる中、勝手にクローゼットを漁りだしたハル。


「ちょっと…!!」


何なの?!


「あーあった。一回も着てねぇじゃねぇかよ。コレ、コレ着てこい。化粧なんて誰も見ちゃいねぇから着替えてすぐにこい。いいな、5分だからな!」


ハルが取り出したのは私にと買ってきてくれたワンピース。

絶対似合わない真っ白で、少しタイトで上品なデザイン。

いきなり買ってきてこんなのいつ着るんだっつーの…


って、最高に失礼な事を散々吐いて嵐のように去っていったハルに苛立つ。


「誰も見ちゃいねぇからって…」


化粧くらいさせてよ!


てか、私の休日は嘘だったの?!



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