All I have to give
「全く意味不明なんだけど…」
ボソッと言ってみる。ハルが横暴なのは十分理解しているが。
荒々しくハンドルを切るハルの横顔は、相変わらず端整だ。
「お前、外食してねぇだろ?たまには外で食えってんだ」
「へ…?」
これからご飯を食べに行くって事?
思い出したかのように、お腹が大きな音を立てて鳴った。
「…お腹空いた」
「昼過ぎまで寝てんのがいけねぇんだよ」
「そうでございますね」
ハルって、すごく優しいのに。
どうしてこう、暴走タイプなんだろう…
物腰柔らかく同じことすれば、女の子は皆イチコロなのにな。
余計なお世話か。
こんなに容姿端麗なら女に不自由しないだろうし…
ハルの本名や年齢すら知らない私が、恋愛事情など知るはずもなく…。
「ソレ、結構合ってる」
「……?」
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