All I have to give
『あんたなんか、いなければ…』
『全部、あんたのせい』
何百、何千と聞かされた母からの罵声。
幼い頃は、ただ泣くことしかできなかった。
『邪魔なのよ』
電車に揺られていた私は、いつの間にか眠りについていた。
嫌な夢。いや、夢と言うよりは記憶と言った方が正しい。
何度も木霊する声に、耳を塞ぎたくなる。
私はもう、二度と戻らない。
二度と。
『間もなく、新宿~…』
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