All I have to give
「今日…イイオンナじゃん」
「え…」
耳元で、ハルが囁くように言う。
「ワンピースが、でしょ?」
「バーカ。お前が笑ってんの、初めて見た」
あ…。無意識だった。
海が嬉しくて、笑ってたんだ。
「イイオンナは、笑ってんだ。無邪気に…」
ハルの瞳に映る私が、見えた瞬間。
唇が重なった。
タバコと潮の香りと…少しだけ塩辛いキス。
それから、一緒にシャワーを浴びて。
ハルが身体に刻まれていく。
焼けるように熱くて。
ただただ、優しかった。
ハルの温もりで、溶けてしまえばいいのに…
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