All I have to give
朝なんて、来なければいいのに。
ハルの腕の中で、切に願った。
指でハルの鎖骨をなぞる。
「ほら、早く寝ろ」
「…寝たく、ない」
夢から覚めたくないの。
「俺が腕枕してやってんだから」
ハルが私の髪に指を通して、頭を撫でた。
この安心感を、どこか懐かしいって思う。
きっとお母さんにも、誰にもされたことなんてないのに。
心地よくて、自然に目を閉じる。
「柔らけぇな…結愛の髪は」
そんなハルの独り言を最後に、夢の中に落ちていった。
.