All I have to give
ハルの手が私の頬に触れて、深く深くキスを繰り返す。
ハルが求めてくれるなら。
ハルだけが、私を必要としてくれているから。
ハルを拒むことなんて出来なかった。
「…お前は」
ハルは俯いたまま、力なく言った。
「いなくなったりしないよな…」
「ハル…?」
寂しいだけ。
私達、ただそれを埋めてるだけなんだよね?
それを一番分かってるのは、ハルでしょう?
私はこの気持ちを、ただの寂しさを埋めるための感情だと思いたくないんだ…。
「いなく、ならないよ…」
そう答える私は、ハルの瞳にどう映ってるの?
真似事なんかじゃないんだよ…。
「今度、ちょっとしたパーティーがある。お前も来い」
「うん」
日和さんが帰ってくるその日まで。
それまでは、どうかハルを私にください。
そう思ったら、涙が溢れた。
大丈夫…。
自分らしく咲いていたい。
ひとつ、ひとつと…
花びらが落ちてなくなるまで。
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