All I have to give
「バカ…バカバカバカ!!」
ハルの胸に拳を何度も当てて。
素直に感情を表に出すことがいつだって恐くて。
否定されたらどうしようって、自分を守ってきた。
ハルに出逢って素直になりたいって強く思った。
でも結局最後までハルの心に入り込むことが恐くて、気持ちを伝えなかった。
そんな私達は、似た者同士だってあの日言ったね。
一歩、踏み出さなきゃ未来は変わらない。
「ハル、大好きだよ…ずっと隣にいたい」
ハルの顔が近付いて、唇を重ねる。
ねぇ、私達。愛に飢えているんじゃなくて、ただ愛が恐かったんだよね。
ずっと、背を向けて逃げて…。
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