紅桜の散る頃に。
やば....

と思ったその時店員が注文したものを運んできてくれた。

「蛍、かなくん、そろそろやめよっか。ね?」

ほら、と運ばれてきたフライドポテトを二人に差し出す。

「ちぇっ」

なんでそこで舌打ちするのかな?

「ごめんね、みっちゃん、」

かなくんは申し訳無さそうにしているが蛍に対する嫌悪感が滲み出ている。

なんとか仲良くなってくれないかなぁ....

数十分が経って店を出ようとする時も相変わらず二人の仲は良くならなかった。それどころかどんどん悪くなっていってる気がする....

「お会計は、3人ご一緒でよかったですか?」

「いえ、こいつのだけ外して下さい。」

蛍がかなくんを指差す。

「今の違います。この人だけ外して下さい。」

今度はかなくんが蛍を指差した。

「もう!!!!3人別々でいいです!!!!!」
 
「は....はい、」


若干ひきつった笑顔の店員を後に私たちは店をでた。

「せっかく奢ってやるっつってんのによー」

「いいって、それより蛍本当にうち来るの?」

「や、水穂が来んなっつーんなら無理にとは行かねーよ?」

来んな....何て言えないよ、

「別に来てもいいけど、家のなかで喧嘩とか本当やめてね。隆人もいるんだから。」

そう私にはまだ5才の弟がいる。

「んなのわかってんよ」

「え、隆人って誰....?」

かなくんが不思議そうに私を見つめる。

あー....そっか。知らないんだっけ、

「私の弟だよ。今5才なんだ」

「へぇ....」

かなくんは少し寂しそうな返事をした。

どうしたんだろ....?
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