紅桜の散る頃に。
隣に座った峯尾君は遠くで見るよりずっと綺麗な顔をしてた。

まつ毛ながっ 肌もキレー

「なに。」

突然峯尾君が口を開いた。

「あ...ごめん....」

ガン見しすぎたかな....

「........西條さんてさ。紅桜に思い入れとかってある?」

「え........?」

思い入れもなにも紅桜は大切な私の約束の木だし....

「あ。いや、ごめん 何でもない....」

「ちょっ ちょっと待って!もしかして....」

「こら そこ!静かにー」

先生に注意されて私は少し小声で話しかけた

「峯尾君ってかなくん....?」

昔の幼馴染みの名前を口にした。

すると峯尾君は目を丸くして私の顔をみた。

「みっちゃん!!!会いたかったー!!」

何が起こったのかわからなくて必死に頭の中を整理した。

「え....!!?え!?」

やっと自分が抱き締められていることに気が付いた。

クラスがざわつき始めた。

「ちょっ....かなくんっ....!!」

引き剥がすとかなくんは満面の笑みを向けてきた。
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