紅桜の散る頃に。
3人は各自お昼ご飯を取り出した。

私はお弁当。蛍も実家がお弁当屋だからお弁当。かなくんはコンビニで買ってきたパンだった。

「かなくんお弁当じゃないんだ」

「あ。うん...」

あれ。何か余計な事言っちゃったかな....

かなくんの様子を伺いながら食べ始めた。

すると横からお箸が伸びてきてエビフライをひょいっとさらっていった。

「あー!!何すんのよ蛍っ!返しなさいっ」

「良いじゃねーかよー!おばさんのエビフライ上手いんだよなー」

パクっとエビフライを食べてしまった。

「私の楽しみにしてたエビフライ....バカ!バカバカ!」

「へっへーん」

子供のように勝ち誇った顔をしている蛍をぽかぽかと殴った。

「まぁまぁ みっちゃん落ち着いて?」

かなくんになだめられて殴る手を止めた。

「エビフライ....」

「ばーか。ボーッとしてるからだ」

「うっさいわね!」

キッと睨み付けた。

「な、なんだよ....なんでお前が怒ってんだよ?」

私が怒るのは当たり前でしょ!

すると蛍の視線が私より少し左にずれてるのに気が付いた。

左を見てみるとかなくんがすごく怖い顔をしていた。

かなくんは急に立ち上がり私の手を握って教室を出た。
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