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「先生」

「うん?」

「私、顔に出てましたか?」

「顔に?」

「乾君に対して」

「あぁ、そういう意味か。そうだな、みんなが顔を引き攣らせている中、三浦だけは平気そうな顔をしてたな」

「そうですか」

「あと、もう1人平気そうなヤツがいたな」

「誰ですか?」

「由良」

「由良君?」

「まぁ、あいつは平気そうって言うよりも興味なさげだったけどな」

「そうですか」

「じゃあ、三浦。頼んだぞ」

「はい、失礼します」

私は再度ソエちゃんに一礼して職員室を後にした。

幸か不幸か、ソエちゃんの言う通り私は乾君みたいな人を見ても引くことはないし、怖いとかも思わない。

それは、私が生まれ育ってきた環境が影響してるんだと思う。



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